重点領域
オーファンドラッグ領域:
なぜ、希少疾病に
取り組むのか
- 希少疾病は、患者数が少なく、病態の解明がなかなか進まないため、診断法や治療法が確立されていなかったり、治療薬の開発研究も遅れたりして、多くが難病となっています。
- 欧米の希少疾病患者登録データベース"Orphanet"の解析では、希少疾病は約6200種、小児での発症が69.9%を占め、罹患率は人口の3.5-5.9%と推定されています1。
- 一方、本邦で支援制度が開始された1993年以降、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定され、承認されたのは338件に過ぎません(2023年10月3日現在)2。
- 大原薬品は、医療上の必要性が高いにもかかわらず、研究開発が積極的に行われてこなかった希少疾病をアンメットメディカルニーズの最重要課題と捉えています。
人口あたりの希少疾病罹患率
Orphanetに登録された希少疾病
(2018年10月1日時点)
希少疾病に小児疾患が占める割合
希少疾病用医薬品に指定され承認を
受けた件数(承認整理、指定取消を除く)
1. Wakap SN et al.: Eur J Hum Genet 2020; 28: 165-173
2. 希少疾病用医薬品指定品目一覧表(令和5年10月3日現在)
[https://www.nibiohn.go.jp/nibio/part/promote/
orphan_support/]より算出(承認整理、指定取消を除く)
小児がん
日本の小児がん治療の現場にて、
まずは医薬品会社として
実行力で最も頼りになる存在に
小児がん治療の分野において、
日本の医療の中で望まれる
治療法を提供できる会社でありたい
小さな命を救うために
乳幼児も含め15歳以下の子ども、思春期や若年成人がかかる小児がんには、多くの種類があります。なかには確立された治療法や有効な治療薬がない難治性の小児がんで苦しむ子どもたちも少なくありません。子どもたちは、未来をつくる大切な存在です。けれど患者数が少ないため、残念ながら治療薬の開発が遅れているのが現状です。不安に押しつぶされそうな子どもたちが、希望をもって今後の人生を歩んでいけるように、大原薬品は小児がんを対象としたオーファンドラッグの開発に取り組んでいます。
大人のがんとは異なる「小児がん」
毎年2000〜2500人が新たに小児がんを発症していますが、発症率は1万人に1人。2人に1人が発症すると推計される大人のがんとは、比較にならないほど患者数が少ないのが特徴です。また、小児がんは大きく12種類に分類されます。さらに細かく分類され、全部で47種類に分類(国際小児がん分類)されているほど多種多様あり、がんの種類や発生する部位によって治療法は異なります。もっとも多いのは白血病で、全体の約4割を占めます。次いで脳・脊髄腫瘍、5歳以下の子どもの発症率が高い神経芽腫、血液のがんといわれる悪性リンパ腫、内臓以外のやわらかい組織にできる軟部腫瘍と続きます。
国立がん研究センター がん情報サービス「小児がんの患者数(がん統計)」
小児がん治療薬の開発
小児がんは、手術や抗がん剤、放射線を組み合わせた集学的治療が行われます。近年では、がん細胞の性質(染色体や遺伝子)が解明されたり、画像診断の進歩により進行度を正確に把握できるようになり、個々の状態に応じて最適な治療法を選択できるようになってきました。その結果、治癒率が向上し、かつては「不治の病気」と認識されていた小児がんは、「十分に治る可能性のある病気」といわれるようになりましたが、それでも今なお15歳以下の死亡原因では上位を占めています。とくに問題なのは、患者数が少ない小児がんの医薬品の研究・開発が遅れていることです。大原薬品は、これまでにドラッグ・ラグが課題となっていた「アーウィナーゼ®」、「ユニツキシン®」、「メグルダーゼ®」の3製品について研究開発に取り組み、承認を取得してまいりました。私たちはこの実績に安住することなく、薬がないために苦しんでいる子どもやご家族の願いに応えるため、今後も小児がん治療薬の研究・開発に挑戦し続けてまいります。
脳腫瘍
脳腫瘍治療の選択肢を広げるために
脳腫瘍(脳原発の悪性新生物)は、がん全体の中でも発生頻度が1%に満たない希少ながんです。国立がん研究センター「がん情報サービス」の統計(2021年)によれば、日本国内における年間の新規診断数は約5,741例と報告されており、これは全がんの約0.58%に過ぎません。患者数が少ない希少疾患であるがゆえに、これまで十分な研究開発が進まず、治療の選択肢は極めて限定的な状況に置かれていました。さらに、脳には不要な物質を入れないバリア(血液脳関門: BBB)が存在します。これは本来、有害な物質から脳を守るための重要なバリアですが、同時に治療薬の脳内への到達をも阻んでしまうため、脳腫瘍治療薬の開発は極めて困難であるとされてきました。しかしながら、悪性神経膠腫(グリオーマ)や膠芽腫をはじめとするハイグレード(高悪性度)の脳腫瘍は進行が速く、予後が極めて厳しい疾患であり、新たな治療法の確立が渇望されています。 その中でも、特に有効な治療法がなく予後が厳しいとされる「びまん性正中膠腫:Diffuse Midline Glioma(DMG)」に対し、現在、治療薬「OP-10」の開発を鋭意進めております。私たちは、これまであまり光の当てられてこなかった脳腫瘍の治療薬の研究開発を進め、患者様の治療選択肢を広げ、将来の脳腫瘍の克服に貢献していきたいと考えています。
国立がん研究センター「がん統計」脳・中枢神経系(罹患・死亡・生存率)、最新がん統計(総数)
<https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/
cancer/23_brain.html> / <https://ganjoho.jp/reg_stat/
statistics/stat/summary.html>
中枢神経系
中枢神経系のトータルヘルスケア
ソリューションへ
人生100年時代と称される現代において、私たちが健康で豊かな生活を全うするためには、脳や神経系の健康維持も欠かせません。 しかしながら、中枢神経系(CNS)領域においては、いまだ原因が解明されていない疾患や、根本的な治療法が確立されていない疾患が数多く残されております。 とりわけ、加齢とともにリスクが高まるパーキンソン病などの神経変性疾患は、患者様ご本人のみならず、支えるご家族にとっても切実な問題であり、急速な高齢化を迎えている我が国の喫緊の課題といっても過言ではありません。 私たちは、中枢神経系疾患のアンメットメディカルニーズに対し、製薬企業として真正面から挑む決意をいたしました。 この難局を打開するためには、単独の企業努力のみならず、高度な専門知見との融合が不可欠です。そこで大原薬品工業株式会社は、信越理研株式会社とともに、新たなジョイントベンチャー「株式会社PARKINSON Laboratories」を設立いたしました。同社は、創薬のみならず、予防、早期診断、治療、そして介護のサポートに至るまで、包括的なソリューションの提供を目指してまいります。
現在、大原薬品では、パーキンソン病治療薬「OP-2024(レボドパ・カルビドパ徐放性製剤)」の開発を鋭意進めております。レボドパ・カルビドパ徐放性製剤は、海外では承認されているものの日本国内では開発されておらず、第30回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において日本神経学会より開発要望が出され、医療現場における必要性が極めて高いと評価されました。私たちはこの公募に応じ、既存の治療薬では解決しきれなかった課題を克服すべく、自社で新たなレボドパ・カルビドパ徐放性製剤「OP-2024」を創出して、開発に取り組んでおります。