第2回 シワやたるみのお悩みに。食べ方のコツで糖化を防ごう!
監修
東海大学医学部 抗加齢ドック 教授
慶應義塾大学大学院
政策・メディア研究科 特任教授
久保 明 先生
糖化が進むと、コラーゲンやエラスチンなどが、本来の働きができなくなるのね。
肌の老化以外に、糖化がまねく影響ってどんなものがあるの?
肌の老化以外に、糖化がまねく影響ってどんなものがあるの?
抜け毛や切れ毛、動脈硬化、糖尿病の合併症、骨粗しょう(鬆)症、白内障という目の病気、非アルコール性肝炎、アルツハイマー病などは、糖化が原因の1つだといわれているよ。
AGEが引き起こす体への影響って、なぁに?
糖化が進み、体のあらゆるところでAGEがたまると、さまざまな病気を引き起こすんだよ。
- 抜け毛や切れ毛、白髪
- 顔の皮膚と同様、頭皮の真皮層でAGE架橋が起こったり、髪の毛の主成分ケラチン(タンパク質の1つ)が糖化してAGEがたまると、抜け毛や切れ毛、白髪が増える。
- 動脈硬化
- 動脈硬化とは、血管がもろく、かたくなった状態。心筋梗塞や脳梗塞の危険性が高まる。
血管を構成しているコラーゲン繊維が架橋でつながってAGEがたまると、血管がかたくなり弾力性が失われて、動脈硬化が起こりやすくなる。 - 骨粗しょう症
- 骨の中がスカスカになる骨粗しょう症になると、ちょっと転んだだけでも骨折しやすくなる。
骨は、おもにカルシウムとコラーゲンでできているので、コラーゲン繊維がAGE架橋になると、骨がもろく折れやすくなる。 - 白内障
- 白内障とは、目のレンズ役をしている水晶体がにごり、かすんで見えたり、物が二重に見えたりする目の病気。
水晶体を構成するクリスタリンというタンパク質が糖化してAGEがたまると、水晶体のにごりの原因になる。 - 糖尿病の合併症
- 血糖値が高い状態が続く糖尿病では、AGEが体内に蓄積されやすく、糖尿病合併症の原因になる。
*糖尿病の3大合併症…手足がしびれる糖尿病神経障害、目の網膜の血管が悪くなる糖尿病網膜症(失明や白内障の危険も!)、オシッコを作る腎臓の糸球体の毛細血管が悪くなる糖尿病腎症(人工透析になることも!) - 非アルコール性脂肪肝
- 高血糖状態が続き、脂肪の貯蔵庫である肝臓に中性脂肪がたまる病気。AGEの蓄積が原因の1つ。
- アルツハイマー型認知症
- 認知症の原因の大多数を占めるアルツハイマー病。特徴の1つとして脳内に老人斑と呼ばれるシミのようなものができる。
その老人斑からAGEが大量に検出されたため、長年の糖化がアルツハイマー型認知症の原因の1つではないかといわれている。
糖化を防ぎ、体内にAGEがたまらないようにすることが大事だよ!