第1回 疲れ、だるさのお悩みに。セロトニンのヒミツを探る!
監修
東海大学医学部 抗加齢ドック 教授
慶應義塾大学大学院
政策・メディア研究科 特任教授
久保 明 先生
ささいなことでカーッとしてキレるのは、脳内物質として働くホルモンのバランスが乱れているからなのね。朝スッキリ起きられないのはどうしてかな。
朝スッキリ起きられない、夜なかなか寝つけない、夜中に何度も目が覚める…。
こうした不眠は、メラトニンが不足して体内時計が狂っている可能性もあるよ。
こうした不眠は、メラトニンが不足して体内時計が狂っている可能性もあるよ。
セロトニンとメラトニンの関係は?
セロトニンは、脳から分泌される睡眠ホルモンであるメラトニンの原料。メラトニンには、季節のリズム、睡眠・覚醒リズム、ホルモン分泌のリズムといった
概日リズム(サーカディアンリズム)を調整する作用がある。
以前から睡眠時間が短いと糖尿病になりやすいことが知られていたが、最近ではメラトニンが不足すると糖尿病の発症率が高くなるという研究が報告されている。
- 概日リズム
- 体温やホルモン分泌などを調整している体内時計は、25時間周期で動いている。
これを概日リズムというが、地球の1日の周期は24時間。このズレを調整するのが日光。
毎朝、日光を浴びると、睡眠・覚醒リズムが整い、質のよい睡眠を得られるようになる。 - 日中はセロトニン、夜はメラトニン
- メラトニンは夜になると分泌量が増えるとされているが、日中に太陽光を浴びてセロトニンをつくっておくとよい。
そもそも人間は、日の出とともに活動して、日没になったら休むというサイクルで生活してきたんだ。
ところが、現代は夜でも明るいし、テレビはほぼ24時間やっているから、昼夜逆転の生活になりやすい。
太陽の光は、みんなが思っている以上に大事なんだ!

朝、散歩したり、通勤時は日の当たる道を歩いたりして、太陽光を15~30分浴びよう!
カーテンを開けて太陽光をとりこめば、部屋の中でもOK。