けんこう名探偵

第1回 疲れ、だるさのお悩みに。セロトニンのヒミツを探る!

監修
東海大学医学部 抗加齢ドック 教授
慶應義塾大学大学院
政策・メディア研究科 特任教授
久保 明 先生

最近、朝はスッキリ起きることができないし、ちょっとしたことでイライラッとするし、すぐに疲れるし…。
以前は、一晩寝たら元気になれたのに、なんだかシャキッと元気になれないの。どうして、そうなっちゃうのかな?
人間関係や仕事、子育ての悩みなどの精神的ストレスが続くと、セロトニンが減少して働きが悪くなるんだ。
目覚めが悪くなったり、キレやすくなったり、自律神経のバランスも悪くなるので全身にさまざまな不調がでるよ。

セロトニンって、なぁに?

ストレスに関係するホルモンとして知られているのが、ノルアドレナリンやドーパミン、セロトニン。
脳内には約1000億個の神経細胞があり、これらのホルモンは、1つひとつの神経細胞同士が情報をやりとりするときに必要な神経伝達物質としても働いているんだ。

ノルアドレナリン
緊張や不安、集中、積極性をもたらし、ストレスに打ち勝とうとするときに働く。
過剰になると攻撃的になったり、ヒステリーを起こしたり、パニックになったりする。
ドーパミン
喜びや快楽、意欲をもたらす働きがある。
過剰になると過食や買い物依存、アルコール依存になったりする。
セロトニン
アドレナリンとドーパミンの2つが過剰になって暴走しないように、調節している。

ストレスがかかると放出されるノルアドレナリンは、自律神経に働きかけて心拍数を上げたり、血液量を増やしたりして、活動しやすい状態をつくる。
一方、ストレスになるようなツライ状況を乗り越えたときの達成感、うれしい気持ち、つまり快感をもたらすのがドーパミン。
この2つをコントロールして、気持ちを安定させるのがセロトニン。
ストレスによる心身のダメージを減らすには、それぞれの脳内物質のバランスが大事なんだ!

ストレスに関係するホルモン
セロトニンとメラトニンの関係